先日、弊社の広告チラシを地域に配布しました。
「空き家」「売却」「家財処分もOK」みたいな内容の、よくある不動産屋のチラシです。
私の顔が大きく印刷されたちょっと恥ずかしいチラシです。

で、数日後、電話が鳴りました。
「もしもし!あんた、山下和彦さんかい?」
なかなか勢いのある声。
電話の主は、別の町にお住まいのおばあちゃまでした。
「家財処分って書いてあったから電話したのよ。
使い辛い茶箪笥があるんだわ!あんた持ってってくれる?」・・・と。
正直に言うと、あれは解体や売却の時に出る家財の処分のお手伝いって意味で書いたんですけど、軽く事情説明してたら世間話にお花が咲いてしまい・・・
「暇なときでいいから、遊びに来なさい。これも縁だから!」
と、なんとも豪快に誘われまして。
言われた通り、後日、ふらっと伺ってみました。
着いてビックリ。
でっかい家!でっかい敷地!
「こりゃすげぇな…」と独り言が出ました。
間違いなく・・・この地域の地主様のお宅です。
チャイムを押すと、
ガラッと戸が開いて、用心深そうに顔を出されたおばあちゃま。
「どちらさん?」⇦ 完全に警戒モード
「この前お電話いただいた、北ながの不動産の山下です。覚えてます?」
「おお!あんたかい!入んな入んな!」
急にニカっと笑顔になって、すぐ中へ通してくれました。
おばあちゃまの部屋に通され、コーヒーを出していただき、
昔の農家の話や、亡くなられたご主人のお話、土地の話、ご家族のことなど、
とにかく話が面白い。
途中何回も大爆笑しました。
そして、おばあちゃまがまた豪快に言うんです。
「うちには売るほど土地はあるよ。
でも、土地は売らないよ!!
あんたと会ったのも縁だから、お茶飲みに来たと思っておきな!」って感じでw
いや〜、シビれました。
カッコいい。
こういう人、すごく好きです。
今回の件、仕事にはもちろんなりません。
でも、それでいいんです。
不動産って、
結局は“人と人”だなと改めて思いました。
土地とか建物とか価格の話より、
こうやって人とつながって、話して、笑って、
その中で信頼が生まれて、
いつか何かのきっかけで仕事になることもある。
たとえそうならなくても、
その時間に価値があると思っています。
チラシを出した甲斐があった。
ほんとそう思います。
帰った後も気分が良くて大仕事した気分になりました。




