たとえば、、、結婚して、子供が出来て、両親が歳をとり、「そろそろ同居でもしようか!」と考える。土地の取得は費用も多額にかかるから実家を建て直そうかと考える。ところが・・・
両親に相談したら(又は建築会社に確認したら)、「この場所は取り壊しての再建築は出来ません!」なんて。
世の中には、再建築不可の土地というのがそこら中にあります。お住いの町の中にも間違いなくあります。どんな土地の事なんでしょう。
■接道義務
建築基準法では、「建物を建築する敷地は建築基準法に定める道路に2m以上接していなければならない」と記されています。なぜか!災害(火災、救急)などの避難や救護を可能にするためというのが趣旨です。
左の図をご覧ください。
・A地は、道路には面しているが、2m以上接していません。
・B地は、2m以上接しているが、通路部分の一番狭い部分が2m未満です。
・C地は一瞬2m以上接しているかと勘違いしそうですが、よく見ると、道路に接している間口(破線部分)は2m未満です。
・D地は、そもそも道路に一切接していません。
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どうです?こんな土地見た事あるでしょう?比較的古い既成の市街地では、全敷地の5~10%見当はこのような、再建築不可能な敷地ではないかとみられています。—
既に、このような接道を満たしていない土地をお持ちの場合、今後どうすればいいのでしょう。建物にも寿命があります。永遠には使い続けられないですよね。
①お隣の土地を購入して、接道義務を果たす。
譲ってもらえるかも問題ですし、資金もかかります。
②お隣の土地の一部を借りて、接道義務を果たす。
賃借料、期間などの調整があります。
③躯体のみ既存の物を補強して使い、外壁、内壁全てを新品のようにリフォームする(新〇そっくりさん)のようなリフォームをする。
このような物件のリフォームの場合、融資条件が厳しい事が多いです。
以上3つのような対応策があると思います。
建築基準法上の道路に接していなくても、「道路のようなもの」に接していたり、広い空き地に接していたり、場合によっては救済されるケースもありますので諦めるのは早いかもしれません。
こういった場所は、古い住宅地でそれぞれの敷地単体は意外と広いものの駐車場スペースが足りなかったりする住宅も多いので、取り壊して貸駐車場にするなんてことも有効利用に使えるかもしれません。
再建築不可物件の評価は厳しい状況です。でも値段が付かないという事は無いと思われます。投資家などは、安く購入してリフォームし貸し出せば立派な投資物件になるかもしれませんから。ただし、打開策の無い土地の場合、周辺の土地との比較は30~40%以下見当と思われます。
購入した時代には、何の規制も無かったのに、後からルールが変わって悪評価って!持ち主様からしたら”運が悪い”としか言いようがありませんよね。
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私の知人にも上記のような土地を相続を受けて所有している方がいます。周りはもともと農地でしたが今はタダの荒地になっているので、一部売ってほしいと県外の地権者に会いに行きお願いしたそうです。ところが、「使う予定は無いが、売る気も無い、一部分でも売らない!」キッパリ断られてしまったそうです。なぜそこまで頑ななのでしょう。親御さんの時代になにかあったのでしょうか。。。