前回に続き、評価のお話です。今回は収益物件でアパートを例に。
ご覧いただいている方の中には、相続税対策でアパート経営に乗り出したものの、思うように入居者が集まらないとか、手間や維持費が思う以上に掛かって今後どうしようか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
アパートを売却する場合、どんな評価になるのでしょう。ちょっと考えてみましょう。
更地の近隣取引事例が坪20万円の土地200坪の上に、建築費6,000万円で家賃50,000円のワンルーム10室のアパートをたてました。
このアパート、まだ築浅ですが売却を検討しています。いくらぐらいが適当な評価でしょうか?
坪20万円 × 200坪 =4,000万円
建築費6,000万円のアパート
合計 1億円 ??
問題なのは、この物件を誰が買うのか!
当然、この手の物件を買うのは投資家の方々です。投資家の判断基準は利回りが全てです。いくら投じて何年でいくら回収できるのか!入居率はどうなのか!減価償却費、リセール、メンテナンス費用etc
上記の場合、坪20万円の土地ですから比較的、立地はよいものと推測されますが、アパートとして必ず適しているとは限りません。空室リスクなどを勘案した時、投資家がどう判断するのか!これが重要となります。そもそも、土地の坪20万円という数字も更地だからこその金額なのであって、別の利用方法を希望している人にとっては既存アパートは邪魔物でしかなく、価値はありません。
アパート経営の立地としてベストと判断されれば、投資家は上の金額で買うかもしれませんが、リスクがあると判断されれば、建築費+土地代という計算式自体が何の意味も持たない事になります。
築年数が経過し、大規模改修をしていないアパートとなると、回収、解体にも相当な金額が掛かる上、退去させるにも手間も費用も掛かり、取引される金額は大幅に下がると考えられます。土地単体の値段が上昇局面であれば購入希望者は多いと思いますが。
やはり、不動産価格は買い手主導。買うか買わないか、いくらなら買うか!は、買い手次第ですね。
新そばの時期ですね。
ちなみに「飯綱町のよこ亭」
蕎麦なら3食でもいいです。