不動産の売却の媒介を受けた業者が強欲を出すとどうなるか?このHPの「不動産売却をお考えの方へ」にもほんの少し書きましたが、どんなことがあるのでしょう。
①売却までに無駄に時間が掛かる可能性がある。
②スピードを重視して安く業者に売らされる。
③売れないフリをして安く買い取られる。
ざっとこの3点が考えられます。
①売却までに時間が掛かる可能性がある。
これは、不動産業界の流通の仕組みを理解しないと違いが分かり辛いかもしれません。仕組みから説明をすると話がずいぶん長くなりますので結論だけ書きます。
要は、物件を独り占めして、他の不動産業者が連れてきた買い手に売らないという事。又は、他の不動産業者に知らせないために、法的に義務付けられている不動産流通機構への登録さえもせず自分だけの物件として隠し持つという事です。それによる効果は、売り手も買い手も自社が見つけると両者から仲介手数料が入り2倍儲かるということです。地方は、都会と比べると不動産価格が低く、片手手数料だけでは経営的に厳しいという理由もあるでしょうが、お客様より自身の利益を追求した行為でしょう。
②スピードを重視して安く業者に売らされる。
不動産業は契約が成立して初めて収入が得られる業務です。販売活動にどんなに時間と労力、広告費を割いても1円にもなりません。ですから、業者的には右から左へなるべく早く契約が成立することが効率がいいのです。少々販売額や安くなって手数料額が減っても早く確実に収入が欲しいと考えるのも無理は無いような気もします。お客様が「スピード重視で」と、おっしゃったなら一番いい方法かもしれません。
③売れないフリをして安く買い取られる
私は身近でこのような行為を見たことはありませんが、世の中にはこのような業者もあると聞いています。売り出して1年も経つのに全く売れない、内見さえもないとなると、売主さんも不安でしょう。そこに付けむ業者があるらしいです。実際には、他社紹介の購入希望者や内見希望者が居ても販売活動せず、時間が経つのを待ち売主様が弱気になったころに、申し訳け無いふりをして格安で買い取る。これが最終目標。買取り再販売は安くさえ仕入れが出来れば一番儲かる仕事ですから。
※番外編
一括査定サイトというのが近ごろ流行っています。ライバルを出し抜いて媒介契約を結ぶためには、お客様に気に入って貰わなければなりません。安い評価した業者より、高い評価額を出してくれた業者の方が気分がいいですよね?普通に考えれば当たり前です。でもこれも問題があります。業者は「提示した金額では売れないだろうな」と自分でも分かっていても高い金額を提示しがちなのです。何がナンでも媒介契約を取りたいのです。なんせ一括査定サイトから情報を貰うたびに1万円札飛んで行ってしまうのですから。売れないような金額で媒介契約を結んだ後はどうすんの?・・・お分かりですね?①~③が行われます。
ただ、一括査定も、買取り再販業も、業者持ち込みも決して悪い手法という訳ではありません。売主様と相談し説明して、それが最も効率よく確実に売却できる方法だと納得できれば問題どころか通常取引です。お客様の希望を無視して私欲の為に上記のような手法に誘導するのは”欲張り”以外の何物でもないと思います。